イイタイダケ

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プリンセス禁止で育ったアラフォーが今更ディズニー映画を観た感想

以前義妹と話していたときのことです。「ディズニープリンセスは誰が好き?」と聞かれたんですね。驚いたのは、「私プリンセスが出てくる映画を観たことがない!」ということ。そして、義妹にとっては観ているのが当然であること。

 

このギャップはどこで生まれたんだろうと考えると、原因を作ったのは私の母親です。思い起こせば、母が観せないようにしていたんです。それは何故だろうと知りたくなりました。そこで今更ですが、いわゆるプリンセスものと呼ばれる作品を何作か観ることにしました。前提として、原作であるおとぎ話のあらすじは知っています。

 

ディズニープリンセスの定義

ディズニープリンセスの定義は長くなってしまうので、Wikipediaの該当ページをリンクしておきます。個人的には「美しいお姫様」が出てくるはなしだと認識しています。

ja.wikipedia.org

 

『白雪姫』

あらすじしか知らなかったので、のちに助けてくれることになる王子様と面識があったことに驚きました。と言っても一瞬だけど。白雪姫、単なる夢見る夢子ちゃんじゃないか。

 

それは置いておいて、アニメーションの表現は素敵ですね。白雪姫が7人の小人の家を掃除するシーンは動物たちの描写が生き生きとして、見ていて楽しい気分になります。でも、不法侵入だよね?という言葉が頭をチラチラよぎる。しかも人のベッドで寝入るとは中々の根性です。いくらお姫様だからって、受け入れてくれた小人たちは人が良すぎます。

 

ところで白雪姫がしたことといえば以下の3つ。素敵な王子様に出会いたいと願い歌ったこと。7人の小人の家を勝手に占拠したこと。小人たちから知らない人に注意するよう言われていたのに、不審な老婆からもらったリンゴを食べたこと。掃除や料理をのぞけば、何の努力もしておりません。それでもお姫様だというだけで受け入れてもらえて、美しいというだけで王子様が探しにくるというのは何ともイージーな人生でしょうか。

 

『シンデレラ』

シンデレラといえば、健気で儚い印象でした。それが一転、結構したたか!と驚きました。継母や義理の姉妹から嫌がらせを受けているのはかわいそうです。でも愚痴をタラタラ、口答えもするし結構気が強くヤラレっぱなしではない印象です。

 

舞踏会に出席したシンデレラは相手が誰かを知らず王子様と踊ります。しかし12時を過ぎ魔法が解けた彼女は、さっきの男性も素敵だけど王子様に会いたかったーと言ってのけるんですよね。素敵な出会いよりも地位が大事なんだねと興ざめです。シンデレラの立場なら玉の輿は死活問題ではありますが、さっきのいい雰囲気は一体何だったのか。

 

舞踏会に行く権利があるはずと継母に声を上げ、そのためにドレスを作ろうと努力する姿には好感が持てます。それでも結局お城に行けたのは、フェアリー・ゴッドマザー(魔法使いのおばあさんだと思ってたら妖精なんですね)と、動物たちのおかげなんですよね。普段動物にも親切にしていたから助けて貰えたわけですが、直接の努力ではないしなあ。

 

『リトル・マーメイド』

音楽が好き。"Part Of Your World"を歌う人魚姫・アリエルもかわいい。ところで、アメリカ映画の父と娘はもっと話し合いをしたほうがいいといつも思います。アリエルの行動は王子様に会いたい一心なのは分かりますが、短慮すぎる。結局トラブルを解決したのは王子様と父親である海の王・トリトンなのがもやっとします。

 

『アラジン』

アラジンといえば"A Whole New World"。この作品も音楽が素敵。ところで、父と娘はもっと以下略。王様、娘思いのいい父親だと思うよ。お姫様であるジャスミンは王子様(本当は王子ではないけれど)のアラジンを助けるために、敵役に気があるふりをしたりと中々がんばりますね。

 

でもアラジン、もしくは彼のような気が合う相手が見つからなかった場合どうしていたんだろう。一人娘のようなので、王国を独身のまま継ぐつもりだったのかな?結婚することが正しいとはもちろん言いませんが、平民とお姫様では事情が異なります。国民のことを考え欲しい。結婚以外の代替案を出すのなら共感できるのですが。

 

塔の上のラプンツェル

アラジンまでに比べ、比較的新しい作品なので雰囲気が異なりますね。分かりやすい違いは3Dアニメになったこと。ラプンツェルの長い髪が3Dならではの立体感で生き生きと表現されています。

 

一番大きな違いは、プリンセスが王子様をただ待っているわけではないということ。ユージーンの助けで外の世界に出ますが、あくまでも彼は案内人であり、そもそも盗賊ですし。共に危機を乗り越えた先にロマンスがあるので心の動きにも納得できます。

 

5作品を見た感想

上記の作品を子どもの頃に観るとすると、世代的には『リトル・マーメイド』までです。どの作品のプリンセスたちもある程度は行動を起こすのですが、運命は王子様に委ねられているんですよね。女性がいくらがんばっても、結局は運と男性任せ。

 

逆境にもめげない姿、動物や弱者に優しい性格に関しては子どもの頃に見ていたらよい影響を受けたかも。でも「美しいお姫様」というスタートラインに立てないから虚しいだけかな(シンデレラだけはお姫様ではありませんが、それでも貴族の家の生まれです)。そして何より王子様が庶民の前に現れることはありません。

 

悪役、いわゆるヴィランズのことも気になります。主人公が「美しいお姫様」であるのに対してヴィランズは「醜い老婆」であることです。実際に「醜くい老婆」であるという意味ではなく、お姫様に対して相対的に美貌が劣り、歳を取っていることを分かりやすく表現しました。裏を返すと若くて美しいことにのみ価値があるかのように感じられました。

 

女性の努力には意味がなく、結局は男性次第。しかも若くて美しいお姫様にのみ価値があるような表現を考えると母が観せたがらなかった理由が分かります。

 

『リトル・マーメイド』までのプリンセスに対して『塔の上のラプンツェル』のラプンツェルはフライパン片手に自分の運命を切り開いているので、時代が変わったんだなあと思いました。そういえば『アナと雪の女王』も王子様は不要と話題になっていましたね。

 

実はディズニー映画が好き

何故、私はプリンセスが出てくる映画を観なかったのだろう?を説明するため、あえて批判的な意見を強調しています。でも実は私、ディズニーが映画が好きなんです。子どものころに一番好きだった映画は『101匹わんちゃん』ですし、今も映画史上最高にロマンティックなシーンは『わんわん物語』のミートボールスパゲティを食べる場面だと思っています。

 

ディズニー映画の、生き生きとしたアニメーションや美しい音楽が好きです。残酷なシーンが少ないので安心して観れます。さらに聞き取りやすい発音も英語学習者としてはありがたいのです。

 

ディズニープリンセスも、シンプルにおとぎ話であり現実にはありえないことだと考えれば楽しく観ることができます。その上、プリンセスのあり方も段々と変わってきているので、今後の作品も楽しみです。