イイタイダケ

言いたいだけです。

私を取り戻そう! 2年間、低用量ピルを飲んでいました

20代の2年間、低用量ピルを飲んでいました。なぜかピルの話をすることは恥ずかしいような風潮が不思議です。使い方によっては女性の健康を守るものなので、もっといろいろなところで語られてほしいなあと思っています。まずは言い出した私から、誰でも読めるWEBの性質上生々しい話はできるだけ避けて、ちょっとボカして書いてみますね。

あくまで個人の経験をもとに書いています。服用する際は、医師の指示を受けてください。

 

私が、私でなくなってしまう

PMSを知るまで、自身の感情に振り回される日々でした。突然悲しくなって、何も手につかない。泣きたくなくても、泣いてしまう。些細なことで、怒りがおさまらない。自分はなんて幼稚で、小さい人間なんだろう。私のはずなのに、私ではコントロールできない。どうして? そんな悩みがありました。

 

PMS(月経前症候群)

PMSという言葉を知る

前職で女性の先輩から「周期によって感情の起伏が激しい」と指摘されました。その先輩自身も同じように悩んでいたため、気がついたそうです。そこでPMSという単語を知りました。

 

 

PMS(月経前症候群)とは?

「月経前の3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの」であり、主にホルモンの影響により引き起こされるとされています。また、3〜10日の間だけではなく、周期を通してずっと身体・精神の影響を受ける場合があります。

 

月経について男性に知って欲しいこと

そもそも月経の意味を知らない男性がいるという噂ですが、本当でしょうか? 月経は女性になら一定周期で、誰にでも、当たり前に起きる現象です。怪我をしたら血が出るし、暑ければ汗をかくのと同じです。月経が恥ずかしいことだと思っている人は、その思い違いの方が恥ずかしいことだと自覚していただきたいです。詳しくなって欲しいわけではないんです。ただ知ろうともせずに、女性を傷つけないでください。

(分かりやすく説明するために、持病や事情がある方への配慮が欠けた表現であることはお許しください)

 

PMSを知ることで起きた変化

月経前の不調は身体のことに限られると思っていたので、精神にも影響があることを初めて知りました。それまでは、感情をコントロールできない自分をいつも責めていました。しかし精神の問題ではなく、ホルモンの問題なんだということを知ったことは、私にとって大きな救いになりました。

 

身体にも症状がありました

月経周期は通常30日前後なのですが、当時の私は40〜50日周期でした。月経前には食欲の増加やむくみがありました。そして、月経が来るまでずっと続くので、月経が遅れれば遅れるほど、つらい期間が長引いていました。そこで、月経周期をコントロールできればどんなに楽だろうと思っていました。

 

 

低用量ピルを飲んでいました

漢方薬を飲んでみました

一時、トウキシャクヤクサンを飲んでいました。主に、体を温める漢方です。これは件の、指摘してくれた先輩からいただきました。先輩は別の漢方に切り替えたので、もう要らないとのことでした。特に医師の診断などは受けませんでした。当時は冷え性だったので、冷えの改善をするこの漢方なら合うのではないか? と考えて飲み始めました。しかし、体質に合わずのぼせたような状態になったので、止めてしまいました。

 

低用量ピルを飲むことにしました

そこでいろいろ調べてみると、低用量ピルというものがあることを知りました。主な目的として避妊があげられていることから、避妊のためだけの薬と思われているようですね。しかし、ホルモンバランスを調整することで月経痛の軽減や、生理周期を整える効果があり、避妊以外の目的で飲む人もたくさんいます。もちろん、避妊目的で飲むことも恥ずかしいことではありません。

 

クリニック選びについて

梅田の女性専用クリニックを選びました。こちらはフロアに男性を入れない徹底ぶりで、とても安心して受診することができました。女性医師も多く在籍していました。男性医師もいましたが、物腰の柔らかい方ばかりでした。

先輩の情報によると、水商売が多い地域のクリニックは、対応が雑なことがあるという情報がありましたので、避けたほうがいいと思います。理由は想像がつきますが、患者(のおそらく職業)によって態度を変えるなんて医者とは思えない! と憤慨しております。違和感を感じるようなら、クリニックを変えたほうがいいと思います。

 

女性医師と男性医師どちらがいいの?

同性の方が相談しやすいように思えますよね。しかし女性医師の場合、「自分は平気だから、あなたも平気」という方が、残念ながら稀にいます。先輩はまさにこのタイプの人に当たって苦労していました。男性医師の場合、「自分にはよくわからないけれど、大変なんだね」という方が多いように思われます。結局は性別ではなく人によるので、自分との相性がいい医師を探しましょう。

 

ファボワールを飲んでいました

飲んでいたのはファボワールと言う薬です。自分の症状を医師に説明し、いくつか提示された薬の中から、比較的効き目が穏やかで、安価なものを選びました。薬は体質との相性もあるので、合わないようならすぐに医師に相談してくださいね。

 

低用量ピルの効果

効果は劇的でした。まず、生理周期が整うことで身体が楽になりました。食欲の増大や、むくみの期間が短くなったのです。そして、感情の起伏も穏やかになりました。集中力にも波があったのですが、一定に落ち着きました。旅行などの予定があれば、生理周期をずらすことができることも、とても楽に思えました。

 

副作用・副効果 / 太ったけど、肌はきれいになった?

低用量ピルは薬なので、もちろん副作用もあります。よく言われるのが、太るというものですね。私の場合、なぜか白米がとてもおいしく感じられて、少し太りました。この場合、食べ過ぎが原因なので、薬のせいとは言いがたいかもですね。
しかし思わぬ副効果もありました。飲んでいる間はいろんな人に肌がきれいだと褒めていただきました。ニキビはもちろん、毛穴までほとんど消えていたのには感動しました。

 

明確なデメリット

それはお金がかかるということです。一般的な低用量ピルは大抵3,000〜5,000円/月 程度かかります。クリニックの受診費用も必要です。そして服用を管理することもめんどうです。決まった時間に飲まなければ、効果はありません。

 

低用量ピルの使用を中止したわけ

体調の上下や、感情の起伏の激しさをコントロールするために飲み始めましたので、その点では成功していました。しかし日に日に違和感が大きくなっていきました。

体調が悪い日、気分が落ち込む日があっても、体調がよい日、気分が良い日もありました。それが低用量ピルを飲んでいると、ずっと低空飛行なままなんです。0点の日と100点の日があれば平均は50点になるはずですが、ずっと40点が続くような、そんな感覚でした。2年ほど飲み続け、違和感に耐えきれなくなったときに、服用を中止しました。

 

服用を中止してからの月経

服用を中止してから1〜3ヶ月で通常の月経が再開するとされています。しかし中止してから3ヶ月経っても月経は始まらず、焦りました。薬を貰っていたクリニックへ行き、診察をしてもらいました。一般に婦人科でイメージされる、あの椅子に座りました。女性は抵抗があるかと思いますが、恥ずかしさよりは健康の方が大事だと割り切りましょう。結局、異常はなく様子見となりました。しばらくすると月経は復活したので、ホッとしました。

 

低用量ピルの服用を悩んでいる方へ

飲んでいる間の違和感や、月経が復活しないときの恐怖心を考えると、誰にでも勧められるものではないと思います。薬なので、思わぬ副作用もありますし、100%安全なものではありません。また薬との相性もあるので、合わないために余計に辛い思いをする人もいるかもしれません。自己判断はせず、医師の診断を受けましょう。自分にとってのメリット・デメリットを冷静に判断してください。

 

飲んでみてよかった!

また飲みたいかと言われると、あまり飲みたくはありません。決まった時間に飲むのもめんどうですし、あの不快感は二度とごめんです。ずっと飲み続けることで出るかもしれない副作用にも不安があります。

しかし、自分で自分をコントロールできるんだ! という感覚は、とても大きな自信になりました。飲んでみたことはまったく後悔していません。それと、服用を中止してからも周期は自然と30日前後に落ち着きました。身体がリズムを覚えたのかもしれません。もしくは少し太ったので、そっちが原因? 痩せすぎると月経が遅れると聞くので。

 

私を取り戻した!

今は漢方も低用量ピルも飲んでいません。自分で自分をコントロールできるんだ!  と自信を持った私は、前ほどPMSに振り回されることがなくなりました。症状がなくなったわけではなく、付き合い方を覚えたのです。

飲んでいたのは20代のときでした。30歳を超えてからはホルモンバンスが落ち着いたのか、症状も緩やかになりました。加齢も悪くないなあと思っています。そういえば、ニキビも出来なくなった!

 

自分なりのPMS対応法

 自分の身体と精神の周期をよく知る

一番大事なのは、自分の身体と精神をよく知ることです。このタイミングで疲れやすくなるな、このタイミングで落ち込むなとしっかり観察してください。私の場合、今でも突然悲しくなることがあります。以前は働くのがつらいからだとか、あのときミスしたからだとか理由を探していたのですが、現在無職で理由がなくてもやっぱり悲しくなります。そこで単にホルモンの問題なんだなあと確信しました。

 

私の周期

月経・身体は怠い・気分は元気
 ↓
原因がなくても突然悲しくなる
 ↓
周期の間で唯一身体、精神ともに元気
 ↓
何となく体調不良・集中力がなくなる・失言が増える
 ↓
食欲の増加・睡魔がひどい・むくみ
 ↓
食欲の減少・不眠・力が入らなくなる・突然掃除をし始める
 ↓
再び月経(最初に戻る)

おもしろいのが、月経前になると掃除をしたくなることです。普段気にならない箇所の大掃除を始めたら、そろそろだなあと気がつきます。

 

一般的な女性の身体の仕組みを知る

個人差が大きい月経及びPMSですが、一般的な女性の身体の仕組みを知ることも大切です。例えば月経中に腰が痛い場合、私は運動不足なのかと思ってストレッチをしていました。しかし調べてみると、痛みを感じるホルモンが出るそうなのです。じゃあ運動しても仕方がないねと気づくことが出来ました。腰痛や下腹部痛は冷えが原因になることが多いようなので、とにかく温めることを意識して過ごしています。

 

タンパク質を摂る

タンパク質を摂ることも私には効果がありました。PMS以外にも、常に体力がなかったり、筋肉が付きにくかったりと健康面に不安があったのですが、肉を食べるようになってから、だいぶ改善しました。肌荒れも減りました。私の場合、実家があまり肉を食べない家だったのですが、結婚して夫の好みに合わせるようになって肉を食べるようになってから、最近元気だなと気がつきました。

 

悲しいときはカレーを食べる

これは私の経験則なので、根拠はありませんが、カレーを食べると幸せになります! 調べてみると、スパイスの刺激によって幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されるという説があります。もちろん体調により刺激物が食べられない場合や、カレーが嫌いな人もいると思いますので、無理はしないようにしてくださいね。

 

身体と精神がつらいときは諦める

以前は、毎日同じ習慣を守ることが、健康のためになると考えていました。いつも穏やかな人が、正しい大人なんだと思っていました。しかし今は眠ければ眠るし、身体が怠ければ、運動をサボります。つらいときは最低限のことをこなしたら、嫌なことはやりません。他人に迷惑をかけない限りは、悲しんだり、怒ったり、イライラしたりしても当たり前だと思うようになりました。

不調の自分を認めることで、その分元気な時の自分ががんばってくれます。

 

月経とPMS、ピルを語ることのむずかしさ

まず、月経に関することはタブーとされている向きがありますよね。確かに食事時に排泄の話をする人がいないように、理解を求めるのに適切な場所・時期というものはあると思います。そしてピルに対しては「恥ずかしい」ものだという偏見は実際にありますし、緊急避妊ピルと混同している人もいるように思われます。これらの誤解を解く必要も感じています。

そして男性には月経がないので、実感はむずかしいでしょう。私も男性の生理現象を自分のことのように感じることはできません。また、女性同士であっても個人差がとても大きいという問題があります。先述の女医のように、「自分は平気」という人もいれば、生きていくのがつらいというレベルで症状が重い人もいます。また、薬を飲むことに抵抗がある人もいるかと思います。

それでも、理解しようと努力することはできると思います。もっと色々な場所で語られることが増えればいいなあと思います。

 

低用量ピルを飲めばすべてが解決するわけではない

低用量ピルを飲めば月経をコントロールすることは出来ますが、月経がなくなるわけではありません。また、PMSも軽くなる場合がありますが、これもなくなるわけではありません。そして体質で飲めない人もいます。「ピルさえ飲めば解決するよ」、「なぜピルを飲んでいるのにつらいの?」などという別の偏見が起きないことを祈ります。

そして女性特有のつらさはPMSだけではありません。持病や加齢など、別の原因の場合もあります。低用量ピルを飲めばすべてが解決するわけではありません。

 

自分には関係ないと考える方へ

ここまで読んで、自分には無関係だと思われる方もいらっしゃるでしょう。関係ないなら、ないでいいんです。ただし、飲んでいる人を傷つけるようなことはしないで欲しいと思います。偏見によって、「恥ずかしい」ことだと言ったり、「自分には必要ないから、あなたにも必要ない」と言ったり、そんなことはしないでいただきたいのです。

その人の身体のことは、本人にしか分かりません。逆に言うと私には男性や、PMSのない方のことはわかりません。でもわざわざ干渉したり、傷つけるようなことはしません。それと同じことだと理解して欲しいのです。

 

男性からみた、女性特有の気分ムラについて語られています。正しいかどうかは置いておいて、こういう風に見えるんだなということを知ることが出来ました。