イイタイダケ

言いたいだけです。

『リアル30's』と『働くわたし』を読んで働くことについて考えてみた

働くことについて、同世代の話しがたくさん載っている本を見つけたので読んでみました。

 

『リアル30's “生きづらさ”を理解するために』

 

30'sとは

78(昭和53年)〜82(昭和57)年ごろに生まれ、バブル経済が崩壊した91年には小学校高学年から中学生を迎えていた世代を指すそうです。この本が出版された2012年に30歳〜34歳をむかえた人たちのことです。今は40歳前後になっている計算ですね。

 

「期待して裏切られた世代」

「まじめにやれば何とかなる」と思ってがんばったものの、現実は厳しかった。

『リアル30's “生きづらさ”を理解するために』P.3

「社会は厳しいもの」とすっぱり割り切る20代に比べて、「自分の努力が足りなかったのかもしれない」という自分への責めもまた重く引きずっている。

『リアル30's “生きづらさ”を理解するために』P.4

この世代が社会に出たのは、就職氷河期の後期ですからね。とにかく仕事がなかった。すぐ上はバブル世代。そのため世間には、仕事がないことを信じてもらえなかったんですよね。最近は社会構造にも問題があったと、やっと認知されてきましたね。

 

働くこと以外にモデルがない社会

「働けばすべてが得られる」以外のモデルを示せていないから、30'sの葛藤はいっそ深まる。

『リアル30's “生きづらさ”を理解するために』P.5

本書の発売から8年経って、少し状況は変わってきたのではないでしょうか。たくさん働いてたくさんのものを得るより、少し働いて少しのもので生きることが認められつつあるかなあと思います。

 

30代女性「生きづらさ」で分断

女性の生き方が多様化しています。独身・既婚・子供のあるなしで生活ってまったく変わりますからね。そのため、女性同士でも必ずしも分かり合えるわけではありません。そのため、女性同士が連帯することもむずかしくなっています。うまく協力し合える仕組みがあればいいのですが。

 

異常なまでに耐久性が強い世代

作家・津村記久子さんの言葉が印象的でした。

異常なまでに耐久性が強い世代

『リアル30's “生きづらさ”を理解するために』P.138 

どれだけ頑張っても、努力が足りないと言われてきたわけで、この言葉には救われます。

 

終身雇用撤廃でやり直しがきく社会を

やり直しのチャンスがあればがんばれます。終身雇用が前提の今は新卒カードを捨ててしまうとかなり不利ですからね。それでも最近、転職が自由になってきた雰囲気を感じていました。しかし新型コロナウイルスの影響で停滞してしまったのが残念です。

 

 

 『働くわたし』

 

自由に働く女性たち

こちらは2019年に出版された本です。20代から80代までの様々な職業に就く女性たちを中心とした本です。『リアル30's “生きづらさ”を理解するために』とは逆で、自由に働く女性たちが登場します。

「好き」を仕事にする人もいれば、気がついたらこの仕事をしていたという人もいておもしろかったです。

 

 

働くということについて考えてみた

両方の本を読んでみて、働くことはつらいことでもあり、楽しいことでもあるんだなあと改めて確認しました。

経済的な心配をしなくてよい状態で、好きなことを仕事にできれば一番楽しいのですが。なかなかそうもいかず、生きるためにはつらくても耐えるしかないんですよね。