タイトルに惹かれて読んでみました。本書にあげられている日本企業の問題点に心当たりがありすぎます。
人の時間を奪うことに全く無頓着なカルチャーです。会議でも始業でも始まる時間は絶対厳守なのに、終わる時間は誰も守らない
会社側が社員を全く信用していない
これらは私が前の職場に不審を抱いた理由でもあります。
転職の自由度を上げる必要
にも全くもって賛成です! やり直しが効く社会なら、ブラック企業なんかすぐ辞められる。壊れるまで働かなくていい世界になるのに。
自分の「幸せの価値観」が何に根ざしているのかを見極めること。その方法としてマクレランドの欲求理論が紹介されています。
- 権力動機タイプ
- 達成動機タイプ
- 親和動機タイプ
の3つに人のタイプを分けます。 書くタイプの説明はWikipediaをリンクしておきます(英語です)。
私は「達成動機タイプ」です。
革新的な手法とかを常に考えている工夫魔です。完璧主義者が多く、何でも自分の手でやりたがり、人に任せるのがあまりうまくありません。このタイプは一人で放っておくのが一番です。
そう、勝手にやっておくので放っておいて欲しいのです。わかる!
幸せの価値観がかみ合う人と結婚することをすすめていますが、まったくその通りだと思います。私と夫は2人とも「達成動機タイプ」なので波風が立たず平和です。お互い好きなことすればって感じで。私の両親は父「達成動機タイプ」・母「権力動機タイプ」だったので働き方に関していつも揉めていました。でも、相手がどんなタイプで何を望んでいるかを知れば、違うタイプ同士でもうまく生活できるかも。
そこそこ好きで、やっていてあまり苦痛でないことを仕事にして、人様の役に立てて喜んでもらえれば、それで楽しくハッピーに暮らせます。
これが理想なんですよね。でもそこそこ好きなことは給料が低すぎて生活できないんだ。
筆者がうつから回復したはなしも参考になります。
- 休もう! 寝よう!
- ノルマをひとつだけ達成する
- 何かを創作する
他にもいくつか紹介されています。私は診断されたうつ病ではありませんが、落ち込みやすい性格です。自分の状態が悪いなと思った時は上記3点を心がけていました。正しい対処法だったと知って安心しました。
最近、前以上に感じるのが睡眠の重要性です。
とにかく夜しっかり8時間寝るのが第一です。これがクリアできるだけで自動的に生産性が倍くらいになります。
働いているときは時間を作る=睡眠を削るだったので最悪な状態でした。退職してすぐも同様に短い睡眠時間のままだったのですが、集中力が続かない自分に嫌気がさしていました。最近は開き直って寝れるだけ寝てます。だって無職だしー。そうしたら何でも効率的にこなせるようになったんですよね。
ひどく落ち込んでいる時には、とりあえず運動は諦めてください。
という言葉には救われました。調子が悪くて何もできない時、せめて運動だけでもしようと思うんです。でもそれが出来ず、さらに落ち込む悪循環だったのです。
突然「おっさん化」を遅らせる方法のはなしが始まるのには驚きましたが、中年の男性の意見を知るいい機会になりました。おっさん(あえてこの表現なのです)の人生がハードモードでかわいそうです。しかし女性も手を抜くとおっさん化(notおばさん化)することがあるので、自分も気をつけよう。
作者の松井博さんは米国アップル本社でマネージャーをされていた経験もある、優秀な方です。そんな人と自分の考えが似ていると評するのもおこがましいですが、とにかく書かれたことにはうなずくしかありませんでした。
『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』が本書でおすすめされていたので、またの機会に読んでみたいと思います。