イイタイダケ

言いたいだけです。

実家暮らしって悪いこと?

最近、こどおじ(子ども部屋おじさん)なんて言葉が出だして、実家暮らし=甘えって論調が前より強くなってきた気がします。

私自身、結婚するまでは子ども部屋の住人だったのですが、ちょっと納得がいきません。前半は自分語りなので、興味がない方は後半から読んでみてくださいね。

 

 

前半:私の場合

前提

母・・・情緒不安定。家事下手。メシマズ。片付けられない女。超ドケチ。

父・・・学生時代に他界。

実家・・・持ち家。父が団信に入っていたのでローンは終了。超古マンション。室内はロクにリフォームしていないので汚い。住民による掃除当番などがあり、人間関係は密。

 

家を出たかった私

私は子どもの頃から、自分の生活を持つことに関心が強く、早く家を出たいと思っていました。また、母とは仲は悪くないものの、親子としての相性は最悪でした(過去記事に色々書いています)。さらには食事が不味い、掃除・洗濯をしないことにかなりイライラしていました。あ、母に不味いと言ったことは一度もないですよ!

じゃあ自分で家事をすれば? となりますが、私が家事をするとヒステリックに怒られるので、こっそりするしかなかったのもストレスでした。何故家事をすると怒るかと言うと、母自身の至らない点を責められている気分になるとのことでした。そんなことはないと何度も説明しましたが、解決することはできませんでした。また家事の量が増える=水道代やガス・電気代がもったいないと思っていたようです。

節約生活を強いられていたのも苦痛でした。もちろん子どもの頃は親のお金で生活するわけで、ある程度は仕方がないと思っていました。また、あなたの将来の学費のためと言われれば、反論しようがありません。しかし肉類は最安値の輸入鶏胸肉オンリー、シャワーの使用は制限付き、肌着以外は汚れるまで洗濯しない、散らかっていて家に人を呼べない生活は、思春期の女子に非常に辛いものがありました。

そして周囲の住人の干渉が強いことも嫌でした。早く、知らない人ばかりの土地に行きたいなあとずっと思っていました。

 

 

家を出なかった私

なら家を出れば? って話ですよね。私もそう思いました。が、学生時代に父が亡くなり、情緒不安定な母をひとりにすることに抵抗がありました。また、家を出るタイミングで事情が変わって、結局出る機会を失ってしまったこともあります。

仕事が安定したら家を出ようと思っていた→1年で離職。

20代も後半、仕事も安定、貯金も増えた→夫と出会い1-2年内に結婚する予定だからそのタイミングで家を出たらいいじゃん。

という感じです。

 

 

私の対策

そんなわけで私は結婚して家を出るまで実家暮らしでした。

持ち家なので、家賃という名目では払っていませんでしたが、当然生活費は渡していました。2人分としては十分な金額+自分が贅沢したい分の色をつけていました。贅沢って、シャワーを自由に使う、お弁当に家で炊いたお米を持って行くなどの些細な希望を出すたびに、5千円ずつ積み増しですよ。高過ぎですが、ドケチな母を納得させるためには仕方がありませんでした。

また、食べたいものは自分で買って帰るようになりました。もちろん母との2人分。正直、自分で料理した方が安くておいしいのですが、そこは母が怒るので触れないようにしました。惣菜なら腹が立たないらしいです。不思議。お弁当を作るのもなぜかOKだったので、簡単なものを自分で用意していました。

力仕事や電球を替えるなど、以前なら父親がやっていた作業は全て私が行いました。これは単に母が出来ないからです。ふすまや壁紙の貼り替えも自分でやりました。大型家電の買い替えやリフォーム代も出していました。水回りの工事は、私が業者と交渉しました。古い家具は自腹で買い替えました。私が購入したブルーレイレコーダーは、実家を出る際に母に取られてしまいましたとさ。

洗濯も、手洗いできるものは母が見ていない隙に済ませました。風呂掃除は子どもの頃から私の当番だったので続けていました。ものは動かせませんが、掃除機は家中マメにかけていました。自分の部屋だけは、子どもの頃からきれいにしていたので、できるだけそこで過ごすようにしていました。

このような生活だったので、私としては家を出た方がずっと楽なんだけど、といつも思っていました。何より、情緒不安定な母の影響を受けることが、精神的に一番辛かったです。

 

 

後半:実家暮らし=甘え?

ひとり暮らしってそんなに偉いの?

このような生活だったので、実家暮らし=甘えと言われてもピンときません。もちろんひとり暮らしの大変さは分かります。ただし、ひとりで住んではいるけれど、経済的な援助を受けたり、親が定期的にめんどうを見にくる人もいますよね。なのでひとり暮らしだからイコール偉い、自立しているとも言えないと思います。

また、実家の経済的な事情で家を出られない、むしろ子どもが親を援助している場合もありますよね。外から見た、実家に住んでいるという事情だけでひとくくりにするのは納得がいきません。

 

じゃあ結婚してたら偉い?

結婚していれば自立しているのでしょうか? 結婚式代から、家まで親がお金を出す家庭もありますよね。義妹は毎週末、子どもを連れて実家に帰っています。その間子どものめんどうを見るのは義父母です(義父母がよろこんでいるのでこの場合は親孝行ですが)。

経済的に配偶者に頼りきりの人、家事を全くしない人、様々ですよね。結婚している=実家暮らしの人に比べて自立しているというわけではないと思います。

 

昔とは事情が違う

親世代が長く働く=若い世代の給料が出ないという状況の中、じゃあどこからお金を出すの? というと、親世代の財布から出すしかないのでしょう。以前は50代で定年を迎えていたんですよ。

さらにさかのぼれば、親はさっさと隠居して、子に家業を継がせていたんですよね。今では家業がある方が珍しいので、継がせるものがない。

結婚する平均年齢が上がり、独身時代は長くなり、未婚の人が増えている。参考になる過去がないんです。昔だったら、自分だったらで語る人は情報のアップデートができていないんじゃないでしょうか。

まして、キモいなんて感情論は論外です。成功とか体験とか言う人もいますが、それは実家暮らしでは絶対にできなかったものなのでしょうか?

親のありがたみっていうなら、実家の家事を全て自分で負担してみたらいいのでは? 自由の有無は親子関係の問題です。実家暮らしの問題ではありません。

 

典型的なこどおば

前の職場に、子ども部屋おばさん(というと失礼ですが、優しい先輩です)がいました。家事はお弁当作りに至るまで全て親まかせで、一般的にイメージされるいわゆるこどおばです。

しかし、その先輩の母親は、子どものめんどうを見ることが生きがいのタイプで、それを奪うことができないとのことでした。また、生涯独身であること、将来的には介護をする覚悟をしていました。

いろんな事情があるんだなあと思ったものです。

 

ひとり暮らし歴が長い夫の場合

夫は大学が実家から遠方のため、ひとり暮らしをしていました。費用に関しては奨学金&アルバイトで苦労したようですが、家事はほとんどしなかったようです。炊飯器にキノコを生やす才能はあるとのこと。

結婚した際の引っ越しの手続きも全て私任せでした(書類を見ると文字通りフリーズするので、諦めました)。結婚後は手続きも家事もするようになりましたが(またはさせた)。

また、長期留学の経験もあるのに、旅行の手続きができません。源泉徴収票の書き方も毎年質問してきます。貯金をするという発想もありませんでした。今までどうやって生活してたのか不明です。

ソースが少なすぎますが、ひとり暮らしって本当に自立できるの? と疑問です。

 

ひとり暮らしをしないと困ることになる?

逆にひとり暮らしの経験をしたことがない私ですが、結婚後、引っ越し関連から始まって手続きで困ったことは特にありません。もちろん初めてのことなのでいろいろ調べて時間はかかりましたし、不安に思うことはありました。しかし不備があって生活できないということはありませんでした。

また、自分で家事ができることがうれしすぎて、今は毎日が楽しいです。もちろん全て初めから上手にできたわけではありませんが、家事に関しても問題を感じません。むしろマメだと人に感心される方です。

 

実家暮らしは結婚できない?

ちなみに私が出会った頃の夫は実家に戻っていました。実家の近くに就職したためです。そして家事は親まかせでした。なのでこどおじ=結婚できないに反論する一つの例となります。まあ私にモテたい人はいないと思うのであまり意味はないかな。

 

 

まとめ:実家暮らしって良いこと?

家族単位で家計・家事を考えませんか?

夫婦なら、夫と妻2人の事情で経済的負担・家事の負担を決めますよね。実家でも同じようにしないのですか? 稼げる人、時間に余裕がある人、家事が得意な人、苦手な人。それぞれの事情で話し合えばよいのではないでしょうか。

実家だから、親子だからと特別なフィルターをかけすぎな気がします。結婚・同棲・ルームシェア、様々な形で他人と暮らすのと同じように、実家での生活も考えればよいと思います。

 

選択肢を増やそう

一生実家暮らしをする必要もないんです。出て、戻ってもいいんです。その時に一番いい選択をすればいいと思います。若い間は給料も安いですし、私のように短期離職する人もいると思います。そんな時、お金に困っているからとりあえずすぐに転職しよう! →またブラック企業のループに陥るよりは、一時的に家族に甘えてもいいと思います。

※揚げ足取る人がいそうなので、先に書いておくと、無職の間も働いていた時と同じ金額は入れていました。なので完全に甘えていたわけではありません。ただしかかる金額がひとり暮らしよりは安く済むため、助かりました。

逆に親が困っている時に助けることもできます。ひとり暮らしで余裕がないよりは、実家暮らしでお互い助け合った方がいい場合もあります。

実家暮らしだから/ひとり暮らしだから、良い/悪いではなく、選択肢を増やすことが大事だと思います。