イイタイダケ

言いたいだけです。

レシピメモ:鳥もも肉+ナス+ズッキーニで無限のバリエーション

野菜が高い夏の時期に、比較的安定した値段で手に入るナスとズッキーニは重宝しています。鳥もも肉+ナス+ズッキーニの組み合わせで炒め合わせ、味付けを変えれば無限にバリエーションが作れることに気がつきました。ナスはしっかり油を吸わせて炒め、ズッキーニは最後に加えて食感を残すとおいしいです。

 

基本の調理

材料

  • 鳥モモ肉(事前に一口大に切ってもよいが、そのまま焼いてから切った方が楽)
  • ナス(食べやすいサイズに切る・すぐに油を絡めて調理する場合はアク抜き不要)
  • ズッキーニ(食べやすいサイズに切る)
  • 油(調理方法によって変えてください)

 

調理方法

鳥もも肉にはあらかじめ少量の砂糖をすり込んでおきます。こうすると柔らかくジューシーに仕上がります。めんどうでしたら無視しても大丈夫です。フライパンを熱し、油(調理方法によって変えます)をひいたら皮目を下にして焼き付けます。皮に焼き色がつき油が出たらひっくり返します。ナスを加えて油をしっかり絡めてからふたをします。肉に火が通ったらハサミで一口サイズに切り分け、ズッキーニを加え炒め合わせます。

 

味付けのバリエーション

和風

照り焼き風

オリーブオイルで炒め、生姜、砂糖、酒、醤油で味付け。サラダ油でもいいと思います。

 

さっぱりポン酢味

ごま油で炒め、砂糖を少しと、ポン酢で味付け。

 

味噌炒め

ごま油で炒め、砂糖、みりん、味噌で味付け。

 

洋風

トマト煮

オリーブオイルで炒め、トマト缶を加えて煮込む。タマネギやキノコ類を足してもおいしい。塩コショウで仕上げ。

味付けを濃いめにして、パスタにかけても。スープにするなら水とコンソメを足します。さらにお米を足してリゾット風にもできます。

 

中華風

オイスターソース炒め

ごま油で炒め、オイスターソースと酒で味付け。コショウで仕上げ。

 

他にも色々

上記のメモは実際に作ったことがあるレシピです。他にもバルサミコ酢を加えたり、カレー粉で炒めたり、チーズを乗せたりしてもおいしそう。マヨネーズにポン酢やしょうゆ、オイスターソースを足してもいいかも。いくらでも考えられるので、これから挑戦してみたいと思います。鳥モモ肉は鶏ムネ肉や豚肉に変えることもあります。ズッキーニはピーマンに変えるとまた違った味でおいしいです。

 

まとめて炒めると翌日楽できます

2日分の分量を炒めるところまで進め、半量を取り分ける翌日が楽です。先日は半分は照り焼き風にしてその日に食べて、残りは他の具材も加えて翌日トマト煮にしました。

 

河合隼雄の『ユング心理学入門』(2/2) 無意識と元型

今回は、ざっくりしたまとめと、私の感想が中心です。ユングとは何かを正確に知りたい方には向かない記事です。そして心理学の専門知識がないため、間違っている箇所もあるかと思います。もし誤りがあれば、ご指摘いただければと思います。

 

ユング心理学入門』再び

このまとめは2/2ですが、本書ではここからが主な取り扱い内容です。

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普遍的無意識

ユングは無意識を層に分けて考え、個人的無意識と普遍的無意識とに区別します。普遍的無意識は集合体的無意識とも呼ばれます。この普遍的無意識は、世界各地に似た神話があったり、統合失調症患者が同じような妄想を抱いたりすることの根拠とされます。

バナナ型神話だとか、洪水のはなしが世界各地にあるとか、まあそういうことです。「私は神だ」という人も説明できるようです。

ja.wikipedia.org

 

元型

人間の普遍的無意識の内容の表現のなかに、共通した基本的な型を見いだすことができると考えました。ユングはそれを元型と呼びます。

代表的な元型
  • ペルソナ
  • アニマ
  • アニムス
  • 自己
  • 太母
  • 老賢者

ペルソナや影(シャドウ)は、心理学が好きな方なら知っていそうですね。ペルソナとは仮面のことで、社会に適応するためにかぶる猫のことです。違う?私もこのブログを書いているとき、働いているとき、夫と過ごすときで違う猫、もといペルソナを持っています。影は自分と正反対の人に嫌悪感を持つ、または惹かれるといった現象で認識しやすいかな。

アニマ・アニムスに関してはちょっと消化しきれていません。男性には理想の女性(アニマ)、女性には理想の男性(アニムス)があると言われても、そんなに割り切ったものにはならない気がします。これは現代とユングの時代のギャップもあるかもしれないです。タカラヅカは理想の男性ではなく、アニムスを追求していると言え……ないですね。男役は「男役」であって、男ではないから。

自己は意識と無意識とを含んだ心の全体性の中心であり、意識の中心となる自我とは異なります。

太母・老賢者は平沢進ファンにはおなじみの概念。太母は土偶です。違います。ごめんなさい。太母は母なる大地のように、土地や農作物に結びつけられることも多いですね。

 アニムスに関してはおもしろい記述がありました。

アニムスに取りつかれた女性は、「……すべきである」と意見を述べる。
ユング心理学入門』P.210

頼もしい男性の出現による未来の人生の設計などという、願望に満ちた考え(たぶんに空想的であるが、本人にとっては、一つの考えである)として生じてくる。そして、この素晴らしい考えによって、「女性も職業を持つべきである」とか、「自分の夫は一流大学出身でなければならない」とか、動かしがたい意見が形成される。このような願望に満ちた考えが強くなると、それとの比較によって、外界のあらゆるものは無価値に見えたり、つまらなくなったりしてくる。何に対しても浅薄な批判を加えているうちに、それがついには自分に向けられるようになり、自分を極端につまらなく感じたり、女であることを卑下したり、あるいは、過ぎ去ったことのみ取り上げて、「大学に行っておくべきだったのに」、「あの人と結婚しておくのだったのに」とくり返すことになる。

ユング心理学入門』P210-211

 こんな感じの人は上の世代で見たことがあるぞ。最近は減ってきている印象。

元型と妖怪?

原始人たちが森を開拓して住む所を作ったとする。そして仲間が何者かに殺されたとする。彼らはこれをなんと説明するか。結局、森の中の不可知なXのためにと考えるだろう。なんてことが元型の説明として書いてありましたが、日本人はこのような現象を妖怪と呼んだのではないでしょうか。

 

自己実現について

自己実現は人生の究極の目的であると述べたが、これは一つの静止した到達点があり、それを自己実現と読んでいるというものではない。(中略)自己実現はつねに発展してやまぬ過程であり、その過程そのもの大きい人生の意義がある。
ユング心理学入門』P.228

自分のなかの劣等な部分と直面し、それを統合してゆこうとする努力が自己実現である 『ユング心理学入門』P.231

そして四〇歳前後に、人生の後半に至るための転換期としての重要性のあることを、ユングは主張しています。これって中年の危機だね。そういえば私も中年だわ。主に仕事を通して自己実現を果たし、中年の危機をむかえて転職します。自分って単純だなあ。

 

実際の心理療法について

優秀な能力をもち、社会生活にすでに適応しているひとたちはどうであろうか。これらのひとの中には「適応しているがゆえに悩み」、「自分の正常さを耐えがたい地獄と感じるひと」がいるとユングはいう。(中略)努力の結果大いに成功し、いわば社会適応の頂点に達したときに問題が始まるのである。

ユング心理学入門』P.250

治療者としてなすべき最善の方法は、「あらゆる先入見をすて去ること」
ユング心理学入門』P250

カウンセラーを目指しているわけではありませんが、人との接し方について考えさせられる文章です。相手とちゃんと向き合えてきただろうかと自問自答しています。

 

ユング心理学入門』を学んでみて

これを読んで人間の心理がわかる……わけはありませんね。一部は批判されている説もありますし、なにより難解でした。それでもワクワクして読みやすいのは、ユングというより、河合隼雄の文章力なのかなあと思います。あと、無意識や元型は色々な創作物の元ネタになっていることも多く、知識として仕入れておきたかったので、その目的は達成しました。

もうちょっと深掘りしたいので、ユングについては他の本も読んでみたいと思っています。

Streaming+で『THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE』Program C 大千穐楽公演を観ました

三度Streaming+にお世話になりました。Program A , B に続き Program Cを視聴しました。

 

THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE

今回視聴した作品はこちらです。出演者が異なるProgram A〜Cの3パターンが予定されています。www.tohostage.com

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Program C 出演者

MC以外はあいうえお順、敬称略です。

 

Program A , B との違い

MCはProgram A の井上芳雄さんが再登場。メインキャストは9名と今までで一番少なくなっています。あ、MCを入れたら10名ですね。そしてスペシャルゲストとして大地真央さんが登場されました。

 

印象に残った出演者と演目

朝夏さんは『42丁目』と『さあ、声を出せ!』がかっこよかった。

ソニンさんに期待してたんだけど、はじめアニーの『Tomorrow』であれ? って引っかかったんですよ。幼さを出そうとしたのかな、声を作っている感じで。でもその違和感は一瞬で、歌声の力強さに引き込まれました。アイドルとしての彼女はあまりよく知らないのですが、テレビで見かけて、いい子そう、でも辛そうって思っていたんです。『カレーライスの女』あたりはだいぶ大変だったんじゃないかな。事務所はちゃんと守ってあげてるの? と疑問でした。舞台という居場所を見つけられてようで、よかったなあと思います。

一路さんと瀬名さん、お二人ともエリザベート役をやるとは思わなかった。一路さんのエリザベートならトートに圧勝できそう。強い。瀬名さんと佐藤さんの『夜のボート』も素敵でした。私はタカラヅカ版の『エリザベート』しか観たことがないのですが、結構歌詞も違うんですね。そして大人な二人だからこそ出せる重みを感じました。一人の俳優が一生を演じるってかなりむずかしいですよね。役者選びを若いときに合わせるのか、年を取ってからに合わせるのかで雰囲気が変わってしまう。

 

 

ゲストの大地真央さんがかわいい

大地真央さんといえば、タカラヅカOGで、『マイ・フェア・レディ』をずっとやってた人としか知識がありませんでした。テレビで見かけてもかわいらしい方なので、ずっと娘役だと思っていたんです。あるとき男役だって気がついておどろきました。

もちろん美容にもお金や手間をかけていらっしゃると思いますが、それにしても若い! 髪はウイッグかな。髪にボリュームがあると若く見えますよね。あとは姿勢がいいところもポイントかな。

途中で着ていた、シャンパンベージュの衣装が素敵だったんです。ジャケットとドレスが一体になったような形で、シンプルでエレガントなんだけど、ちょっとキリッとした要素もあるデザインでした。ドレス、見るのは好きなんですけど、自分が着るのは興味がないんです。でもあのデザインなら着てみたいなあ。

そしてカーテンコールで幕が降りるときに、しゃがんで手を振っていらしたんですよ。それが大スターに失礼かもしれませんが、かわいいなあって改めて思いました。

 

千穐楽を迎えて

公演中止になることもなく、最後まで続いてホッとしました。これに続いて他の劇場も再開していければいいなあ。ってこれ何目線だろう。

河合隼雄の『ユング心理学入門』(1/2) 分析心理学とタイプ論

自分を知る手がかりとして、心理学の本を読んでいます。学んだことを私なりにまとめてみました。自分が興味を持った箇所に偏っているので、ユングとは何かを正確に知りたい方には向かない記事です。そして心理学の専門知識がないため、間違っている箇所もあるかと思います。もし誤りがあれば、ご指摘いただければと思います。

 

ユング心理学入門』

おそらく日本で最も有名なユング研究家、河合隼雄の本を読みました。タイトルは入門ですが、「フロイトおよびアドラーの著作には少しは目を通してくださっていることを期待している」とあります。心理学を専門的に勉強したことがない私には、かなり難しく感じられました。

 

3人の学者と、心理学

上に名前をあげた3人の心理学研究者の学説はそれぞれ

と違う名前で呼ばれています。本書はユングの分析心理学について説明しています。

 

フロイトについて

フロイトについては『図解 ヒトのココロがわかるフロイトの話』を先日読んだばかりでした。概要をさっと知ることができる本です。

フロイトは無意識という概念を提唱した人ですね。何でも性に結びつけすぎるので、どうもなじみませんでしたが、はなしとしてはおもしろかったです。

 

アドラーについて

アドラーの個人心理学には興味を持っており、何冊か読んだことがあります。入り口は『嫌われる勇気』でした。おもしろかったので、続編にあたる『幸せになる勇気』と、簡単な入門書を何冊か読みました。

さらに前から、ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を愛読しておりました。彼はアドラーの流れをくむ(のちに破門となる)心理学者です。先日『それでも人生にイエスと言う』を読み終わったばかりです。今、感じたことを消化中なので、また記事にまとめたいと思います。

アドラーの、「目的論」は私好みではありますが、気分が落ち込んでいる人は読まないほうがいいかもと、個人的には感じています。

 
 
 

 

 

心の現象学とは

ユングはオカルト的な扱いを受けることが多い印象です。その理由が心の現象学の誤解からくるものであることがわかりました。

われわれは処女懐胎を一つの事実として、承認するというのではなく、処女懐胎という考えが存在するという意味において、その考え心理的現実として取り上げようとするのである。このような考えが多くの人の中に存在したという現象を、心の現象として追求してゆく態度を取るのである。

ユング心理学入門』P.12

本書ではキリスト教処女懐胎を例に説明しています。心理療法家は説明できないものを説明できないまま受け止め、その背後にある情動に注目することで、解決へと至る道を患者と共にすることはできるのではないかと主張しています。あくまで「心の」現象なので、「事実」の現象として受け入れるかは別ということです。

ユングは説明できないものを「事実」として受け入れているという誤解が、オカルティックな扱いを受ける原因だと考えられます。彼自身が占星術師の家系の生まれだとか、錬金術にのめり込んだというエピソードもあるので、それも原因かなあとは思いますが。

 

人間の類型ータイプ論

ユングといえばタイプ論が有名。

まず、タイプを分けることは、ある個人の人格に接近するための方向づけを与える座標軸の設定であり、個人を分類するための分類箱を設定するものではないと強調したい。

ユング心理学入門』P.38

そういう傾向があるよね、程度に押さえ、無意味なレッテル貼りはしないこと。肝に命じます。

 

一般的態度、内向ー外向

ユングは人間には異なる二つの一般的態度があると考えます。内向的態度と外向的態度です。

  • 外向的とは:関心や興味が外界の事物やひとに向けられ、それらとの関係や依存によって特徴づけられている
  • 内向的とは:関心が内界の主観的要素に重きを置いている

ふつうはこれら両方の態度を共に持ち合わせています。そして新しい場面に入るときの行動によって、両者の相違が特徴的に出てくると説明が続きます。

外向型のひとはつねに適当に行動できるのに対し、内向型のひとはどこか、ぎこちない感じがつきまとう。

ユング心理学入門』P.42

内向型のひとは、当惑を感じ、こんなことをいっては笑われるかもしれぬと黙り、ときには、「こんなときは、にぎやかにしなければならない」などという考えにとらわれて、馬鹿げた行為をしてしまって、あとで一人後悔してみたりする。
ユング心理学入門』P.42
内向的な子供は、幼稚園や小学校の低学年で困難を感じることが多い。彼らは友人をつくりにくく、先生にもなじみにくい。ゆたかな才能を持っていても、それを伸び伸びと出すことができず、それはときに、変なものとさえ見られやすい(中略)大人たちがその性格を矯正しようと努めたり、異常であるときめつけたりすることによって、発達の過程を歪められる場合が多いように思われる
ユング心理学入門』P.42-43

内向的なひとが過度に自己批判的で、自信なさそうに見えながら、いったん思いこむと少々の障害にはたじろがない態度をとる

ユング心理学入門』P.43

共感できる内向型の説明を中心に引用してみました。逆に外向型のひとが異星人に思える。人間関係の適当ってどうやるのかわからない。

 

個人の素質による態度を逆転させると、はなはだしい疲労現象が現れ心の健康が害される

ユング心理学入門』P44

よく分かる!自分は内向型にかなり振り切れているタイプなのかな。外向的な能力を必要とされる場面はとても疲れます。

 

四つの心理機能

各個人はおのおの最も得意とする心理機能を持っているとユングは考えます。心理機能とは、種々異なった条件のもとにおいても、原則的には不変な、心の活動形式です。ユングはこれを四つの根本機能として以下のように区別して考えました。

  • 思考
  • 感情
  • 感覚
  • 直感
主機能と劣等機能

思考と感情、感覚と直感は対立関係にあります。思考機能の発達している人は感情機能が未発達であり、感情機能が発達している人は思考機能が未発達である。感覚と直感も同じ関係にあるとします。発達している機能を主機能、未分化な機能を劣等機能と呼びます。ただし未分化であるから弱いという意味ではないことに注意。わかりやすく書き換えるとこうなります。

  • 思考⇄感情
  • 感覚⇄直感

 

補助機能

例えば、直感が主機能の人が得たものを適切に獲得してゆくためには必ず思考か、感情機能による判断の助けを必要とします。もしそのひとにとって思考が主機能の次、第二次機能であるとすると、感情は第三次機能で、多分に未分化なものとなります。そして感覚は劣等機能として最も未分化なものとなります。この第二次機能を補助機能とします。

 

直感

四つの機能のうち、直感についておもしろく感じたので抜粋します。

これは事物そのものよりも、その背後にある可能性を知覚する機能である。その過程は無意識の道をたどって生じるので、どうしてそれが得られたのか、他人にもわからず、本人さえも説明に困るという厄介な性格をもっている。このため、直感型のひとが、その結論や推論や事物の観察によって得られたように思い込んでいる場合も多い。しかし、その説明をよく聞くと、先行した正しい結論に未分化な思考や観察があとでかぶせられているにすぎないことがわかる。

ユング心理学入門』P.55

論理的に考えるようにしているのですが、その根拠は直感だったりするのでしっくりくる説明でした。

 

八つのタイプ

ユングは内向・外向と四つの主機能を組み合わせ、ひとを八のタイプに分けることができると考えました。外向的感情型とか、内向的感覚型のように。

外向的思考型のひとは、自分の生活を知性の与える結論に従わせようと努めている。(中略)感情があまりにも抑圧されているときは、ときに本人の意識的な制御をこえて表面に現れることがある。たとえば、つねに論理的・合理的であることを誇りとする学者が、自分と正反対の学説に関しては、まったく感情的反発としか思われない言動をしたり(中略)一般に硬い外交的思考型のひとは、その例外を許さぬ態度や、息抜きとしての未分化な感情反応によって、家族を苦しめていることが多い。

ユング心理学入門』P.50-P51

私このタイプの人たくさん知ってる。自分は論理的に正しいと主張し、「女のくせに」って感情的に言ってくる男の人。

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内向的直感型のひとも理解されがたく、外界に適応しがたいひとである。

ユング心理学入門』P.56

この型のひとは、 自分の内部の一種の独創性に悩まされているひとということができる。これは実際生活にはむしろ都合の悪いものだから、自分の本来の傾向を無視するため、無理に機械的・実際的なことをやろうとして、内的な摩擦のため神経症に陥っているひともある。

ユング心理学入門』P.57

これを読んで私はもしかして、内向的直感型なのではないだろうかと感じました。

 

外向型のひとにとって、内向型のひとは、わけのわからない冷淡な臆病者と見え、逆に後者は前者を、軽薄で自信過剰なひとと思う。

ユング心理学入門』P.60

内心ではよろこんだり、悲しんだりしているのに、冷たいってよく言われます。あと、大抵の人はどうしてそんなに自信があるんだって不思議で仕方がありません。

 

一般に男性の場合は、主機能によって生きようとの態度が強く、型がわかりやすいが、女性の場合は、鋭さよりも柔らかさが期待されるため、一つの機能が鋭角的に開発されていないことが多く、したがってその型もわかりにくいようである。

ユング心理学入門』P.60

心理療法の場合、劣等機能の開発をすぐに手がけるより、補助機能の発展に心がけるほうが適当な場合が多いが、事例によるとされます。

 

西洋と東洋の違い

「日本で、ユングの考えをそのまま適用できるか否か」については
一つの機能を発展させるよりは、たとえ未分化でも全体としてのまとまりをおう傾向や、得意なもの(主機能)を伸ばす楽しみよりは、不得手なものに注目して「苦行」しようとする生活態度などに結びついて、際立った型を見出しがたくしているようにも思われる

ユング心理学入門』P.62

ありゃ、私の人生「苦行」って言われちゃいました。でも分かる。自分でもどうしてこんなに向かないことにしがみついてしまうんだろう? と疑問に思うことがたくさんあります。でも、乗り越えたときに自信となるので、中毒になっちゃってるのかも。

 

 とりあえず途中までまとめてみた感想

なるほど、よくわからんというのが感想です。 まず、専門知識が足りなすぎます。それでも、タイプ論などは納得することが多くおもしろいです。このまとめではあえて触れませんでしたが、ユング心理療法の肝は夢の分析です。しかし、夢の分析に関してはこじつけに感じてしまい、なじめませんでした。

みんなそんなに都合がいい夢見るの?私が見る特徴的な夢といえば、ほとんどがトイレに行きたいけど行けないという夢です。当然、目が覚めたらトイレに行きたくなっています。あと、大学生のころに歯が抜ける夢を毎晩見ました。夢占いでは割と有名で、新しいことが起きる兆候とされています。しかし、親知らずを抜いたら見なくなりました。歯が痛かっただけです。

そんなわけで、全てをそのまま受け入れることは難しそうです。(2/2)へ続きます。

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最近のお笑いはおもしろくない? 『知のリテラシー文化』を読んで気がついたこと

家にはテレビがありません。特に信念があるわけではなく、引っ越した際に買わなかっただけでなんです。そのまま7年の月日が経過しましが、特に不自由は感じていません。

 

最近のテレビはおもしろくない?

そのため、テレビを見ることはほとんどありません。そして実家などで久しぶりにテレビを見たときに、不思議に思ったことがあります。それはおもしろくないということです。特に最近のお笑い芸人さんで笑えたことがありません。ふと世の中から置いていかれたような、不思議な気持ちになりました。これはテレビやお笑い芸人さんのレベルが落ちたということでしょうか? そこである仮説が思い浮かびました。

 

笑うためには「お約束」の知識が必要

それは、笑うためには「お約束」を学ぶことが必要だということです。吉本新喜劇で育った関西人なので、昔の吉本を例にします。基本、芸人さんによって善人・悪人・美男・美女・お笑い担当は分かれています。役柄を交代することはまれです。よってこの芸人さんが言っていることは正しい・悪い・カッコイイ・カワイイ・おもしろいことなんだということがすぐにわかるんですね。

あの人が出てきたら笑う。この流れなら笑う。定番のギャグを言ったら笑う。毎週見る中で自然と学んできたことです。テレビをほとんど見なくなった私は、今のテレビの「お約束」を学ぶ機会が無くなってしまったのではないかと思うのです。

 

 

『知のリテラシー文化』

 なんてことを考えていたときに出会ったのが『知のリテラシー文化』という本です。

 「リテラシー」とは「読み書き能力」のことをいい、拡大してものごとを読み解く力と解釈します。「文化」とは「ごくふつうのこと」を指します。
本書はマンガ、ファッション、映画、音楽、建築、写真、絵画、美術工芸品、食文化、スポーツなどの、日常生活の中に浸透している「文化」の「リテラシー」について解説した本です。

 

 

どうしてマンガが読めるの?

「今の日本の子どもは、歴史的にみても世界的にみても複雑な「文法」を持つマンガの読み方を、5、6才から小学校4年生くらいまでの間に、学習しおえてしまう」

『知のリテラシー文化』

よく考えればすごいことですよね。文字ばかりの本を読むのが苦手でも、マンガなら読めるという人は多いのではないでしょうか。ちなみに、子どもがマンガを読めるようになるのは、知育雑誌が多大に貢献しているそうです。小学◯年生みたいなやつですね。

マンガにも「お約束」があります。たとえば「音喩」についてです。「音喩」とは従来の擬音語や擬態語の範疇に収まらない、マンガ特有の効果音のことです。有名なのは静かな状態を表す「シーン」ですね。実際に「シーン」と鳴っているわけはないのですが、私たちはそれを静寂と理解します。これはマンガの「リテラシー」を身につけているからできることです。



映画のカメラ目線問題

通常、リアリティーを追求する映画の画面で、カメラ目線はありえません。しかしミュージカル映画ではカメラ目線を多用することは珍しくありません。これも「お約束」ですね。あるジャンルでは禁止されている手法が、特定のジャンルでは許容されているという場合もあります。

 

「へー、その音楽好きなんだ」

個人の音楽的な好みの問題は、その好みを強調することで、他者との関係を規定し、自分の社会的な位置を確認することにもつながります。

『知のリテラシー文化』P.77

個人が趣味・趣向を通じて、ある特定の文化的、あるいは芸術的作品に正当性を認めたり、価値をおくことは象徴的闘争だ

ピエール・プルデュー『ディスクタンクシオン1・2』より
『知のリテラシー文化』P.77

 

 

思い当たることはありませんか? 

自分の趣味・趣向を通じて、他人との違いを見出し、自分を引き立たせることで、他人よりも優越した立場になろうと卓越化・差別化をはかろうとしているということなのです。

『知のリテラシー文化』P.77

文化的な正当性を強調することで支配的な階層秩序を保とうとする。

 『知のリテラシー文化』P.77

マイナーな曲を聴いている方が、趣味がいい、偉いみたいな風潮。メジャーな音楽を聴いている人に対するマウンティング。こんな心理的背景があったんだとおもしろく思いました。

 

 ちょっと長いのですが、本書で特に感銘を受けた文章を引用します。

自分の感動した音楽体験を誰かに伝えたいのに、「言葉では説明できない」、その感動を言語化できない、というもどかしさを覚えた経験があるでしょう。バルトは、音楽が言葉では語りえないところにこそ、価値があるとしたのです。私たちの生きる世界は言語によって分節化され、言語活動によって支えられています。しかし、音楽という形式が、この言葉で分節化された世界や言葉による意味作用を飛び越えて、直接私たちの身体に意味変化を生じさせる。これこそが音楽の美的体験であり、音楽を聞くことの感動や悦びであるあるというのです。
くわえてバルトは音楽的快楽に関係するのは与えられた意味ではなく、意味を作っていくこと、つまり意味形成の働きだといっています。私たちの音楽への喜ばしき反応は、意味自体に対する反応ではなく意味を作ることに対する反応だとします。

『知のリテラシー文化』P.81

音楽に対して持っている「言葉では説明できない」感覚の説明として、とてもしっくりきました。音楽だけではなく、様々な芸術作品や、自然の美しさ、人の優しさなどに触れたときの「言葉では説明できない」感覚もこのように言語化できないかなあと考えています。

 

写真とは視界の「フレーミング

Instagramのキラキラ女子はこの「フレーミング」が上手いイメージがあります。フレームの外にあるものもイメージできれば視野が広がりそう。

「公権力によるメディア・フレームのコントロール」という言葉にハッとしました。ニュースでもありますよね、悪意のある切り取り方をしたタイトルとか。

 

絵画と無意識の関係

シュルレアリスム=「心の純粋なオートマティスム(自動現象)」という表現に興味を持ちました。シュルレアリスムの出発点は自動記述の実験でした。自動記述とは、「熟考せず、スピードにのって自分の意識に浮かぶものを機械的に書くという方法」だそうです。これは自由連想法というフロイトの治療法からヒントを得たものなんですって。

これ、モーニング・ページにそっくり! とおどろきました。

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シュルレアリスムフロイトの無意識の理論をはじめとする、当時の精神医学や精神分析への関心と芸術や文学についての思索が結びついて生まれたものなのだそうです。ちょうど今、心理学の本を読んでいるので、とてもわかりやすい。

対して、記号表現(意味するものシニフィアン)/記号内容(意味されるものシニフィエ)という内容が出てくるのですが、さっぱり理解できませんでした。これは私が記号論の「リテラシー」を持っていないからですね。これから勉強します。

 

食文化と健康

本書では、「健康」とは非常に曖昧な概念であることを指摘しています。米飯=日本人主食という考えも、古くからあるわけではないというのが意外でした。確かに、日本人全員が白米を食べられるようになったのって、そんなに古い話じゃないですよね。

義母がいわゆる自然派の人なんですね。自然=正しい。玄米=病気が治る。みたいな考えの人で。対して夫はいわゆる研究職なので、義母の情報は正確な実験データがないと言い喧嘩になるんです。これは「リテラシー」格差から起きる断絶ですかね。

 

『知のリテラシー文化』を読んで

大学の教科書として利用されることを想定して書かれた本です。どこの学部で学ぶ内容なのかな? 文学部? 社会学部? 私はこのような、記号論的な分野には疎いので、本書の内容はむずかしく感じました。まさに「リテラシー」がない状態ですね。でもおもしろかったので、これから勉強していきたいと思います。

そして私が立てた「お約束」がないから理解ができないのではないかという仮説が、「リテラシー」という言葉で説明されていて、スッキリしました。

 

リテラシー」格差

貧富の差が話題になってきていますが、これからは「リテラシー」の差も大きな問題になりそうですね。私はtwitterが好きでよく見ていますが、「リテラシー」に差がある人同士でまったく話がかみ合っていない状況をよく見かけます。「IQが20違うと会話が通じない」なんて話も聞きますが、それ以外にも共通する「文化」の「リテラシー」も必要ということですね。

私が英語を学ぶのも、単に言語を学びたいんじゃないんです。海外の文化を知りてたくて、でも文化というのは言語抜きには理解できないから学んでいるんです。まさに読み書きの意味の「リテラシー」と、「文化」を読み解く「リテラシー」の両方を身に付けたいと思っています。

 

これからの「リテラシー

最近思うのが、昔のように「みんなが知っている」ものが減ってきたのではないかということです。インターネットで各自の好みに特化した情報が手に入るようになっている一方、興味がない情報に触れる機会が減っているように思えます。私が子どもの頃の情報源といえば、テレビか新聞、雑誌だけでした。なのでいつもテレビに出ている人、新聞や雑誌に載っている話はみんなの共通の話題だったんですね。あ、ラジオを聴いていると通なんだみたいな風潮は、まさに「象徴的闘争」ですね。

これからはある分野の「リテラシー」は高いけど、別の分野の「リテラシー」は低い人というのもたくさん出てきそうだなあと思います。実際、ある分野では権威あるプロが、専門外ではおかしなことを言ってしまうなんて現象は見たことがあります。そうなると、もっと広い視野の「リテラシー」を学ぶ必要があるのかななんて考えています。

 

Streaming+で『THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE』Program Bの千穐楽公演を観ました

再びStreaming+にお世話になりました。前回の Program A に続き Program Bを視聴しました。

 

THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE

今回視聴した作品はこちらです。出演者が異なるProgram A〜Cの3パターンが予定されています。www.tohostage.com

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Program B 出演者

MC以外はあいうえお順、敬称略です。

 

Program A との違い

MCは山崎育三郎さんに交代、その他のメインキャストは12名でした。前回は13名だったので、減ってるんですね。同じ曲でも歌う人が違うので、異なる印象で楽しめました。

 

印象に残った出演者と演目

もし『エリザベート』の再演があったら、山崎さんで観たいなあ。田代さんとの『闇が広がる』を観てそう思いました。どの俳優さんも魅力がありますが、歌に迫力がある人っていいなと思います。

朝夏さんは何度見ても手の長さにおどろきます。タカラヅカで見慣れてると思ったのに、またびっくりしてしまいました。『シスター・アクト』でつけてる大きなリボンがかわいかった。

涼風さんがね、妖怪なんて自称されていましたが、今でも妖精ですね。50代だったっけと思って調べたら来月60歳になられるんですね。どうしたらあの澄んだ高音をキープできるんだろう。『私だけに』が素敵でした。あらためて男役時代の写真を見ていたんですが、本当に少女漫画から出てきたみたいですね。もしくはリアル・リボンの騎士

そして平原さん。歌手の方なので、ミュージカル歌唱とはまた違った種類の力強さがありますね。トークにて、マイペースでおもしろい方だと初めて知りました。

 

「今日は帝劇、明日は三越

そういえばスクリーンに映っている、「今日は帝劇、明日は三越」という言葉で思い出したことがあります。戦中生まれの祖母が子どものころ、大阪歌舞伎座から北浜の三越までタクシーで乗り付けたって言ってたんですよ。当時の物価ってよくわからないのですが、結構なお金持ちだったと聞いています。声楽の短期大学を出ているのでお嬢様だったんですよね。涼風さんの歌声が、祖母に似ているんです。懐かしくなりました。

あ、まだ存命です。新型コロナをうつしたくないので、最近会っていないんですよ。私おばあちゃんっ子なので、めちゃくちゃさみしいです。会ったらまたこの話、詳しく聞いてみよう。

 

次は Program C !

次はProgram C を観ます。大千穐楽ですね。無事に終わって欲しい。平日の昼間だからひとりでゆっくり楽しめる! こんなときは無職サイコーってなります。

 

私を取り戻そう! 2年間、低用量ピルを飲んでいました

20代の2年間、低用量ピルを飲んでいました。なぜかピルの話をすることは恥ずかしいような風潮が不思議です。使い方によっては女性の健康を守るものなので、もっといろいろなところで語られてほしいなあと思っています。まずは言い出した私から、誰でも読めるWEBの性質上生々しい話はできるだけ避けて、ちょっとボカして書いてみますね。

あくまで個人の経験をもとに書いています。服用する際は、医師の指示を受けてください。

 

私が、私でなくなってしまう

PMSを知るまで、自身の感情に振り回される日々でした。突然悲しくなって、何も手につかない。泣きたくなくても、泣いてしまう。些細なことで、怒りがおさまらない。自分はなんて幼稚で、小さい人間なんだろう。私のはずなのに、私ではコントロールできない。どうして? そんな悩みがありました。

 

PMS(月経前症候群)

PMSという言葉を知る

前職で女性の先輩から「周期によって感情の起伏が激しい」と指摘されました。その先輩自身も同じように悩んでいたため、気がついたそうです。そこでPMSという単語を知りました。

 

 

PMS(月経前症候群)とは?

「月経前の3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの」であり、主にホルモンの影響により引き起こされるとされています。また、3〜10日の間だけではなく、周期を通してずっと身体・精神の影響を受ける場合があります。

 

月経について男性に知って欲しいこと

そもそも月経の意味を知らない男性がいるという噂ですが、本当でしょうか? 月経は女性になら一定周期で、誰にでも、当たり前に起きる現象です。怪我をしたら血が出るし、暑ければ汗をかくのと同じです。月経が恥ずかしいことだと思っている人は、その思い違いの方が恥ずかしいことだと自覚していただきたいです。詳しくなって欲しいわけではないんです。ただ知ろうともせずに、女性を傷つけないでください。

(分かりやすく説明するために、持病や事情がある方への配慮が欠けた表現であることはお許しください)

 

PMSを知ることで起きた変化

月経前の不調は身体のことに限られると思っていたので、精神にも影響があることを初めて知りました。それまでは、感情をコントロールできない自分をいつも責めていました。しかし精神の問題ではなく、ホルモンの問題なんだということを知ったことは、私にとって大きな救いになりました。

 

身体にも症状がありました

月経周期は通常30日前後なのですが、当時の私は40〜50日周期でした。月経前には食欲の増加やむくみがありました。そして、月経が来るまでずっと続くので、月経が遅れれば遅れるほど、つらい期間が長引いていました。そこで、月経周期をコントロールできればどんなに楽だろうと思っていました。

 

 

低用量ピルを飲んでいました

漢方薬を飲んでみました

一時、トウキシャクヤクサンを飲んでいました。主に、体を温める漢方です。これは件の、指摘してくれた先輩からいただきました。先輩は別の漢方に切り替えたので、もう要らないとのことでした。特に医師の診断などは受けませんでした。当時は冷え性だったので、冷えの改善をするこの漢方なら合うのではないか? と考えて飲み始めました。しかし、体質に合わずのぼせたような状態になったので、止めてしまいました。

 

低用量ピルを飲むことにしました

そこでいろいろ調べてみると、低用量ピルというものがあることを知りました。主な目的として避妊があげられていることから、避妊のためだけの薬と思われているようですね。しかし、ホルモンバランスを調整することで月経痛の軽減や、生理周期を整える効果があり、避妊以外の目的で飲む人もたくさんいます。もちろん、避妊目的で飲むことも恥ずかしいことではありません。

 

クリニック選びについて

梅田の女性専用クリニックを選びました。こちらはフロアに男性を入れない徹底ぶりで、とても安心して受診することができました。女性医師も多く在籍していました。男性医師もいましたが、物腰の柔らかい方ばかりでした。

先輩の情報によると、水商売が多い地域のクリニックは、対応が雑なことがあるという情報がありましたので、避けたほうがいいと思います。理由は想像がつきますが、患者(のおそらく職業)によって態度を変えるなんて医者とは思えない! と憤慨しております。違和感を感じるようなら、クリニックを変えたほうがいいと思います。

 

女性医師と男性医師どちらがいいの?

同性の方が相談しやすいように思えますよね。しかし女性医師の場合、「自分は平気だから、あなたも平気」という方が、残念ながら稀にいます。先輩はまさにこのタイプの人に当たって苦労していました。男性医師の場合、「自分にはよくわからないけれど、大変なんだね」という方が多いように思われます。結局は性別ではなく人によるので、自分との相性がいい医師を探しましょう。

 

ファボワールを飲んでいました

飲んでいたのはファボワールと言う薬です。自分の症状を医師に説明し、いくつか提示された薬の中から、比較的効き目が穏やかで、安価なものを選びました。薬は体質との相性もあるので、合わないようならすぐに医師に相談してくださいね。

 

低用量ピルの効果

効果は劇的でした。まず、生理周期が整うことで身体が楽になりました。食欲の増大や、むくみの期間が短くなったのです。そして、感情の起伏も穏やかになりました。集中力にも波があったのですが、一定に落ち着きました。旅行などの予定があれば、生理周期をずらすことができることも、とても楽に思えました。

 

副作用・副効果 / 太ったけど、肌はきれいになった?

低用量ピルは薬なので、もちろん副作用もあります。よく言われるのが、太るというものですね。私の場合、なぜか白米がとてもおいしく感じられて、少し太りました。この場合、食べ過ぎが原因なので、薬のせいとは言いがたいかもですね。
しかし思わぬ副効果もありました。飲んでいる間はいろんな人に肌がきれいだと褒めていただきました。ニキビはもちろん、毛穴までほとんど消えていたのには感動しました。

 

明確なデメリット

それはお金がかかるということです。一般的な低用量ピルは大抵3,000〜5,000円/月 程度かかります。クリニックの受診費用も必要です。そして服用を管理することもめんどうです。決まった時間に飲まなければ、効果はありません。

 

低用量ピルの使用を中止したわけ

体調の上下や、感情の起伏の激しさをコントロールするために飲み始めましたので、その点では成功していました。しかし日に日に違和感が大きくなっていきました。

体調が悪い日、気分が落ち込む日があっても、体調がよい日、気分が良い日もありました。それが低用量ピルを飲んでいると、ずっと低空飛行なままなんです。0点の日と100点の日があれば平均は50点になるはずですが、ずっと40点が続くような、そんな感覚でした。2年ほど飲み続け、違和感に耐えきれなくなったときに、服用を中止しました。

 

服用を中止してからの月経

服用を中止してから1〜3ヶ月で通常の月経が再開するとされています。しかし中止してから3ヶ月経っても月経は始まらず、焦りました。薬を貰っていたクリニックへ行き、診察をしてもらいました。一般に婦人科でイメージされる、あの椅子に座りました。女性は抵抗があるかと思いますが、恥ずかしさよりは健康の方が大事だと割り切りましょう。結局、異常はなく様子見となりました。しばらくすると月経は復活したので、ホッとしました。

 

低用量ピルの服用を悩んでいる方へ

飲んでいる間の違和感や、月経が復活しないときの恐怖心を考えると、誰にでも勧められるものではないと思います。薬なので、思わぬ副作用もありますし、100%安全なものではありません。また薬との相性もあるので、合わないために余計に辛い思いをする人もいるかもしれません。自己判断はせず、医師の診断を受けましょう。自分にとってのメリット・デメリットを冷静に判断してください。

 

飲んでみてよかった!

また飲みたいかと言われると、あまり飲みたくはありません。決まった時間に飲むのもめんどうですし、あの不快感は二度とごめんです。ずっと飲み続けることで出るかもしれない副作用にも不安があります。

しかし、自分で自分をコントロールできるんだ! という感覚は、とても大きな自信になりました。飲んでみたことはまったく後悔していません。それと、服用を中止してからも周期は自然と30日前後に落ち着きました。身体がリズムを覚えたのかもしれません。もしくは少し太ったので、そっちが原因? 痩せすぎると月経が遅れると聞くので。

 

私を取り戻した!

今は漢方も低用量ピルも飲んでいません。自分で自分をコントロールできるんだ!  と自信を持った私は、前ほどPMSに振り回されることがなくなりました。症状がなくなったわけではなく、付き合い方を覚えたのです。

飲んでいたのは20代のときでした。30歳を超えてからはホルモンバンスが落ち着いたのか、症状も緩やかになりました。加齢も悪くないなあと思っています。そういえば、ニキビも出来なくなった!

 

自分なりのPMS対応法

 自分の身体と精神の周期をよく知る

一番大事なのは、自分の身体と精神をよく知ることです。このタイミングで疲れやすくなるな、このタイミングで落ち込むなとしっかり観察してください。私の場合、今でも突然悲しくなることがあります。以前は働くのがつらいからだとか、あのときミスしたからだとか理由を探していたのですが、現在無職で理由がなくてもやっぱり悲しくなります。そこで単にホルモンの問題なんだなあと確信しました。

 

私の周期

月経・身体は怠い・気分は元気
 ↓
原因がなくても突然悲しくなる
 ↓
周期の間で唯一身体、精神ともに元気
 ↓
何となく体調不良・集中力がなくなる・失言が増える
 ↓
食欲の増加・睡魔がひどい・むくみ
 ↓
食欲の減少・不眠・力が入らなくなる・突然掃除をし始める
 ↓
再び月経(最初に戻る)

おもしろいのが、月経前になると掃除をしたくなることです。普段気にならない箇所の大掃除を始めたら、そろそろだなあと気がつきます。

 

一般的な女性の身体の仕組みを知る

個人差が大きい月経及びPMSですが、一般的な女性の身体の仕組みを知ることも大切です。例えば月経中に腰が痛い場合、私は運動不足なのかと思ってストレッチをしていました。しかし調べてみると、痛みを感じるホルモンが出るそうなのです。じゃあ運動しても仕方がないねと気づくことが出来ました。腰痛や下腹部痛は冷えが原因になることが多いようなので、とにかく温めることを意識して過ごしています。

 

タンパク質を摂る

タンパク質を摂ることも私には効果がありました。PMS以外にも、常に体力がなかったり、筋肉が付きにくかったりと健康面に不安があったのですが、肉を食べるようになってから、だいぶ改善しました。肌荒れも減りました。私の場合、実家があまり肉を食べない家だったのですが、結婚して夫の好みに合わせるようになって肉を食べるようになってから、最近元気だなと気がつきました。

 

悲しいときはカレーを食べる

これは私の経験則なので、根拠はありませんが、カレーを食べると幸せになります! 調べてみると、スパイスの刺激によって幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されるという説があります。もちろん体調により刺激物が食べられない場合や、カレーが嫌いな人もいると思いますので、無理はしないようにしてくださいね。

 

身体と精神がつらいときは諦める

以前は、毎日同じ習慣を守ることが、健康のためになると考えていました。いつも穏やかな人が、正しい大人なんだと思っていました。しかし今は眠ければ眠るし、身体が怠ければ、運動をサボります。つらいときは最低限のことをこなしたら、嫌なことはやりません。他人に迷惑をかけない限りは、悲しんだり、怒ったり、イライラしたりしても当たり前だと思うようになりました。

不調の自分を認めることで、その分元気な時の自分ががんばってくれます。

 

月経とPMS、ピルを語ることのむずかしさ

まず、月経に関することはタブーとされている向きがありますよね。確かに食事時に排泄の話をする人がいないように、理解を求めるのに適切な場所・時期というものはあると思います。そしてピルに対しては「恥ずかしい」ものだという偏見は実際にありますし、緊急避妊ピルと混同している人もいるように思われます。これらの誤解を解く必要も感じています。

そして男性には月経がないので、実感はむずかしいでしょう。私も男性の生理現象を自分のことのように感じることはできません。また、女性同士であっても個人差がとても大きいという問題があります。先述の女医のように、「自分は平気」という人もいれば、生きていくのがつらいというレベルで症状が重い人もいます。また、薬を飲むことに抵抗がある人もいるかと思います。

それでも、理解しようと努力することはできると思います。もっと色々な場所で語られることが増えればいいなあと思います。

 

低用量ピルを飲めばすべてが解決するわけではない

低用量ピルを飲めば月経をコントロールすることは出来ますが、月経がなくなるわけではありません。また、PMSも軽くなる場合がありますが、これもなくなるわけではありません。そして体質で飲めない人もいます。「ピルさえ飲めば解決するよ」、「なぜピルを飲んでいるのにつらいの?」などという別の偏見が起きないことを祈ります。

そして女性特有のつらさはPMSだけではありません。持病や加齢など、別の原因の場合もあります。低用量ピルを飲めばすべてが解決するわけではありません。

 

自分には関係ないと考える方へ

ここまで読んで、自分には無関係だと思われる方もいらっしゃるでしょう。関係ないなら、ないでいいんです。ただし、飲んでいる人を傷つけるようなことはしないで欲しいと思います。偏見によって、「恥ずかしい」ことだと言ったり、「自分には必要ないから、あなたにも必要ない」と言ったり、そんなことはしないでいただきたいのです。

その人の身体のことは、本人にしか分かりません。逆に言うと私には男性や、PMSのない方のことはわかりません。でもわざわざ干渉したり、傷つけるようなことはしません。それと同じことだと理解して欲しいのです。

 

男性からみた、女性特有の気分ムラについて語られています。正しいかどうかは置いておいて、こういう風に見えるんだなということを知ることが出来ました。